SUSTAINABILITY

STRENGTHENING QUALITY CONTROL SYSTEM品質管理体制の強化

品質マネジメントシステム

品質マネジメントシステムを全部門で運用

当社は「安全と品質は生命線」という認識のもと「安全衛生・品質・環境方針」を策定し、その方針に基づいて企業活動を行っています。そして国内全ての部門で品質マネジメントシステム(QMS)を運用しています。その運用体制は、本社安全推進室、各支店の安全品質環境部が中心となり、品質管理基準や手順の周知、徹底を図ると同時に、定期的に内部監査を実施し、部門ごとにPDCAサイクルを回し、継続的に改善しています。今年度から、より一層の品質管理意識の向上を図るため、品質管理体制の明確化、品質トラブル撲滅強化月間の設定、品質管理意識の向上を図るポスターや懸垂幕の制作・掲示、品質トラブル情報の共有化、教育等の充実を図り、品質トラブル防止対策を進めています。

品質確保の取り組み ー品質を確保する技術の伝承

品質を支える人材の育成

建設技術総合センター内に実際の工事状況を再現した大型模型を製作し、研修に使用しています。模型は道路や水路建設に採用される箱型の地中土木構造物や、建物の躯体を4つの構造物に原寸大で再現しており、施工中の状況を実際に確認しながら学ぶことができます。2021年度の新入社員研修では、実際に鉄筋コンクリート構造物を作り、鉄筋組み立てでは主筋と配力筋の関係、コンクリート打設では力の伝わり方など、基本的な知識を身に着けました。

新入社員による鉄筋コンクリート工事実習

経験豊富なテクニカルアドバイザーによる巡視・指導

TKパートナーズは設立以来一貫して鉄建建設の建築部門を支援してきました。その主たる業務は、品質トラブル等の未然防止のために、経験豊富なテクニカルアドバイザーが現場の巡視・指導・教育を行い、若手社員へのノウハウや技術の伝承を行っています。特に巡視時は、経験の浅い若い所長が見落としがちな重要なポイントの指摘や、他現場における推奨事項を紹介するほか、いち早く支店や本社建築本部へ「速報」として状況報告することで、迅速な対応を可能にしています。また、高度化していく技術や工法などはテクニカルアドバイザー間で都度共有し、常に研鑽を続けています。

テクニカルアドバイザーによる巡視・指導
現場巡視風景

ICT活用による品質向上への取り組み

コンクリート打設管理システムで品質向上

2021年に完成した「コンクリート打設管理システム」は、リアルタイム画像解析と各種センサーによってコンクリートの打設状況を把握して品質の向上につなげるものです。主に橋梁工事での床版を対象として開発しましたが、今年度は橋脚や橋台のように何層も打ち重ねる構造物にも適応できるよう、現場での試行を重ねブラッシュアップを行っています。
WEB上で管理するこのシステムは、現場はもとより本社や支店においても打設状況がリアルタイムに把握できるため、現場以外からの確認や指示も可能で、品質トラブルの回避に大いに期待できます。

コンクリート打設管理システム
打設済み区画の表示、コールドジョイント発生の恐れがあると警告の表示が出る

帯状濡れセンサモニタリングシステムの実用化

帯状濡れセンサモニタリングシステムは、濡れと温度のセンサを組み込んだ帯状センサを型枠(せき板)の内表面に設置することにより、コンクリート打設時の充填状況をリアルタイムに把握することが可能です。さらに、濡れセンサ出力率と豆板・巣による空隙率は負の相関性が高いことを利用して、コンクリートの密実性を検知することも可能です。コンクリートの締固め状況を把握することにより、豆板防止などコンクリート構造物の品質向上に効果的です。帯状のセンサを利用することで、測点ごとの濡れ検知ではなく、線状に濡れ検知ができるため、コンクリートの充填状況が詳細に把握できます。

帯状濡れセンサ構成例
帯状濡れセンサ構成例
充填状況モニタリング画像
コンクリート打設状況と充填状況モニタリング画像