RAILROAD 鉄道

鉄道部門は、鉄道を支える構造物や駅などの鉄道施設や、鉄道に関連する都市施設・建築物などの建設を担当します。

鉄道土木の分野では、高架橋、橋梁、トンネル、盛土、駅のプラットフォームなどの土木構造物の新設や改良工事を行います。これまでに、全国各地の鉄道基盤整備や青函トンネル・東日本大震災からの復興など国家的事業にも参画しました。

鉄道建築の分野では、駅舎、車両基地、駅ビル、高架下開発などの新設や改良工事を行います。これまでに、全国の駅舎や駅ビルなど多数の建築物を手掛けてきました。

鉄道は当社の中核分野に位置づけられています。鉄道工事のトップランナーとしての地位を揺るぎないものにするために、独自の技術開発と技術力の向上をさらに推進していきます。また「安全のプロフェッショナル」として鉄道工事における安全・安定輸送を支える存在として、これからも不断の努力を続けていきます。

常務執行役員 鉄道統括室長 竹内 研一

事業方針

鉄道工事は列車の安全・安定輸送が第一です。今後もステークホルダーの要求に応え続けるため、
独自の技術開発と技術力の向上を推進し、鉄道工事のトップランナーの地位を揺るぎないものにします。


2022年度の振り返り

  • 受注では、大型工事の発注時期遅れ等の影響はありましたが、営業部門、施工部門一体となった組織力を発揮し、全国各地の駅改良工事や羽田空港アクセス線工事および駅前開発事業等の受注などで目標を概ね達成することができました。
  • JR山手線を約 53時間運休させて実施した「第5回渋谷駅改良線路切換工事」を無事完遂させたほか、「斉内川橋りょう改築」「幕張新駅設置」「住吉こ道橋」の竣工をはじめ、「品川駅」「新宿駅」「渋谷駅」等の大規模駅改良工事を着実に推進しました。
  • 技術開発では鉄道高架橋のプレキャスト化および機械式深礎工法の開発などで一定の成果を上げるとともに、 今後の鉄道工事受注に向けてICTを活用した技術開発などを推進しました。

成長戦略

  • さまざまな鉄道工事プロジェクトにおいて計画、設計段階から参画し(ECI方式)、当社がこれまで培ってきた技術やノウハウなどを基に工期短縮やコストダウンを提案するなど、鉄道工事での当社の優位性をさらに高めていきます。また、大規模駅改良工事や駅周辺開発、連続立体交差化事業、単独立体交差化工事等の継続的な受注をめざして取り組んでいきます。さらに鉄道事業者と綿密に連携し、施工条件に応じた的確な施工方法を提案、実施することで収益力の向上を図ります。
  • お客さまニーズに応えるため、生産性や安全性向上につながる技術開発を継続して進めます。鉄道高架橋のプレキャスト化では、鉄道事業者へ向けた提案・プレゼンテーションなどの営業活動を推進するとともに、実施工事での適用に向けた検討を継続します。また、狭隘な箇所で人力による施工が主体となっていた杭基礎工事における機械化施工をめざした機械式深礎工法については、今までの技術開発で得られた知見に基づいて機械設備等のブラッシュアップを図るとともに、他工法との競争優位性を高めるべくさらなるコストダウンに向けた検討を行います。
  • 近年頻発する自然災害によってダメージを受ける鉄道施設の災害復旧、各鉄道事業者で整備が進められている耐震補強工事や新幹線大規模改修工事への参画を通じて安全・安心な鉄道インフラを提供していきます。

取り組み状況

BIMを積極的に活用した取り組み
~駅改良・新駅建設の施工計画への導入~

鉄道工事では生産性の向上、安全性の確保をめざしてBIMを積極的に活用しています。駅改良工事では既存駅舎の現状を点群データ化し、新設構造物のBIMモデルと組み合わせることで、さまざまな施工場面における事前検証を実施しました。また新駅建設工事では鉄筋の図面をBIMモデル化し、複雑な配筋を視覚化することで組み立て手順や形状変更などの検討をスムーズに進めることができました。加えて施工ステップをBIMモデルで作成し、その中で重機配置や狭隘な空間での施工実現性を検討することで安全性を確保することに役立てました。

BIMモデルでホーム上屋の鉄骨建方を検討
BIMモデルでホーム上屋の鉄骨建方を検討

安全への取り組み
~ 3Dセンサを活用した立入禁止エリア侵入検知システム~

鉄道工事では線路閉鎖手続きなどの所定の手続きを行ってから線路内に立ち入って作業を開始しますが、ヒューマンエラー等の要因により手続きが完了する前に軌陸車等が線路内に立ち入ってしまうリスクがあります。そのようなリスクの発生を防止し、鉄道工事の安全性を確保することを目的として、あらかじめ設定した特定エリアに立ち入った軌陸車等を機械的に検知して工事従事者にアラートを発報する「3Dセンサを活用した立入禁止エリア侵入検知システム」を開発しました。
2022年度は本システムを駅改良工事の現場へ試行導入して各種の検証を行いました。今後は試行導入で得られた知見からシステムをブラッシュアップさせるとともに具体的な運用方法を検討して鉄道工事現場への導入を推進します。

鉄道事業に関するお問い合わせ