CIVIL ENGINEERING 土木
土木部門は、創業当時から国家的なプロジェクトに参画して技術を培ってきました。鉄道施設やトンネル、橋梁等の建設で得られた技術は、現在では道路、上下水道施設などのインフラストラクチャー全般に展開し、安心、安全な社会基盤を支えています。また、国内だけでなく海外の大型プロジェクトにも参画し、地域の発展に貢献しています。
少子高齢化による労働力不足や若者の建設業への意欲低下、変化の激しい社会環境の中、人材育成や技術開発、DXを原動力とした業務改革、働き方改革などを推し進め、次世代につなげる豊かな社会の実現をめざしてまいります。
取締役常務執行役員 土木本部長 大場 秀彦
事業方針
近年、多発する大規模自然災害対策への対応を強化し、安全・安心の国土形成に貢献します。
また、老朽化した社会インフラの大規模修繕・維持更新工事や早期開通が望まれる新幹線工事、開発途上国のインフラ整備などに注力します。
2022年度の振り返り
- 受注高は、北海道新幹線延伸工事をはじめ、トンネル工事や床版取替、耐震補強等の受注により概ね計画数値を達成しました。一方、売上総利益は、国内工事において大型工事の一時中止や新規工事の受注が年度後半となったことによる売上高減少と海外工事の採算悪化の影響から厳しい結果となりました。
- 国内工事においては、国土交通省発注の大野油坂道路和泉トンネル岡畑地区工事やNEXCO西日本発注の阪和自動車道北塩屋高架橋PC上部工の完成、海外工事においてはバングラデシュ国のクロスボーダー道路網整備事業(カルナ橋)が完成し供用開始するなど、国内外で技術の蓄積と成長を推し進めました。
- デジタル環境の整備促進とBIM/CIM等ICT技術を活用したトンネル覆工再生、橋梁の床版・支障取替等の技術開発、配筋検査システム等の現場導入など基幹システム革新に向け、DXを原動力とした業務変革に取り組みました。
成長戦略
- 国土強靭化基本計画に基づくインフラ施設等の耐震・津波対策、老朽化対策が本格化していく中、2023年4月に土木本部に土木設計部を設け、設計と施工がセットになった大型プロジェクトに対応する体制を強化しました。床版取替、橋梁架替、トンネル覆工などの更新工事や高速道路4車線化等の改良工事など設計施工案件受注と利益確保を図ります。
- 国内工事においては建設業全般での熟練技術者の退職、若手入職者の減少が進む中、作業員の安全性向上や担い手不足解消として、無人化施工に向けた技術開発・検証を進めていきます。特に当社が得意とするトンネル工事においては、建設技術総合センターに実物大の模擬トンネルを新設し、各工程における遠隔・自動化技術を検証、また、JR東日本と連携したBIMや点群データの活用による効率化とコスト削減等生産性向上と安全性向上に向けた技術開発に取り組んでいきます。また、海外工事においては各国における懸念事項や政変等の影響を共有しながら対応していきます。
取り組み状況
トンネル工事の安全性向上、省力化をめざす
山岳トンネル工事では、切羽と呼ばれるトンネル先端掘削面の観察・評価が、安全施工のための重要な業務となっています。しかしこの切羽観察・評価は、危険な切羽近傍でのスケッチや観察者の経験の差異が生じやすいなどの課題がありました。そこで、切羽作業の安全性向上、切羽観察業務の省力化を目的に切羽亀裂解析システムを他社と共同開発しました。本技術は、トンネル坑内において、カメラやスマートフォン等で取得した動画を解析することで、切羽の亀裂方向や間隔等の情報を把握し、作業の安全性向上および切羽観察業務の補助等につなげるシステムです。今後は、解析速度を向上させ、リアルタイムに危険箇所を表示させるとともに、切羽前方の亀裂状態を予測・表示し、安全性が向上する解析システムとなるよう開発を継続します。
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