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2025.03.26

建設技術総合センター 技術 プレキャスト高架橋見学会を開催~高架橋を最短5日で構築~

当社が施工中の東京貨物ターミナル改良工事(東京都品川区)において、プレキャスト部材を用いた高架橋の現場見学会を開催しました。219日と33日の2日間にわたり、多くの業界関係者にご参加いただきました。

01_kengakukai.JPGPca桁架設状況

【見学会の様子】
今回の見学会には、鉄道総研、鉄道事業者、設計コンサルなど、多くの業界関係者が参加しました。 見学者の皆さまは、柱接合部のグラウト充填状況や部材の架設状況を間近で確認し、施工手順や技術の特長について理解を深めました。また、担当者の説明を受けながら、質疑応答を通じた活発な意見交換が行われました。

02_kengaku.JPG見学会の様子

【プレキャスト工法の特長】
従来のRC高架橋施工においては、以下の課題がありました。
1.工期の長期化・コスト増加:柱や梁の構築に大がかりな足場や支保工が必要
2.熟練技能者への依存:柱・梁の接合部の複雑な配筋作業が必要

【採用技術】
今回の見学会では、以下の2つの技術を初採用した施工を公開しました。
鋼管拘束型鉄筋継手
基礎と柱の接合部に採用され、複数の鉄筋を適切な間隔で重ね、鋼管で拘束することで継手の強度を確保します。 施工手順は以下の通りです。
1⃣ 基礎部に定着用鉄筋と継手用鋼管を設置
2⃣ 柱部材を建て込む直前に鋼管内にグラウトを充填
3⃣ 柱部材から突出した鉄筋を鋼管内に挿入して接合
この工法により、機械式継手等を使用せず、間詰めコンクリート等も必要なく、柱部材1本の建て込みが短時間で完了します。
閉合鉄筋継手
柱側面から突出したコの字鉄筋と、梁端部から突出したコの字鉄筋を重ね合わせることで、梁部材を垂直方向から架設可能にします。さらに、以下の特徴を有しています。
▶ 直線部の重ね継手長を鉄筋径の2倍以上確保することで継手性能を確保でき、接合部を極限まで縮小できます。
▶ 鉄筋の重ね継手部分で施工誤差の吸収が可能です。
▶ 柱部材に仮設ブラケットを設置することで足場や支保工の設置が不要となります。
この工法により、梁部材1本の建て込みを短時間で完了します。

03_hashira.png▲PCa柱建込架設状況(219日)

04_hari.png▲PCa桁架設状況(33日)

【今後の展望】
今回の見学会で紹介した技術により、柱や梁の架設が飛躍的に効率化され、高架橋1ブロックを最短5日間で構築することが可能となりました。今後も、さらなる技術革新を推進し、より迅速で高品質なインフラ整備を実現してまいります。

◆紹介動画はこちら(鉄建公式YouTube

▲【技術紹介】プレキャスト鉄道高架橋 ~さらなる生産性向上を目指して~

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