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2022.07.13

プロジェクト 技術 表彰・感謝状 2021年度新規DOCOMOMO選定建築物に田野畑中学校寄宿舎(1974年鉄建施工)が選定されました。

2022年6月6日、ドコモモ・ジャパンは、日本建築学会の協力を得て、2021年度「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」として新たに14件の建築物を選定(全264選)し、当社が施工した、「田野畑中学校寄宿舎(1974年竣工)」(岩手県)が選定されました。

docomomo01.JPG▲田野畑中学校寄宿舎

DOCOMOMO(ドコモモ)

ドコモモ(DOCOMOMO=Documentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of the Modern Movement)モダン・ムーブメント※にかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織です。
ドコモモは、20 世紀の建築における重要な潮流であったモダン・ムーブメントの歴史的・文化的重要性を認識し、その成果を記録するとともに、それにかかわる現存建物・環境の保存を訴えるために、オランダのフーベルト・ヤン・ヘンケット(当時アイントホーヘン工科大学教授、現デルフト工科大学教授、初代会長)の提唱により、1988 年に設立された国際学術組織で、近代建築史研究者だけでなく、建築家、建築エンジニア、都市計画家、行政関係者などが参加しています。(※ドコモモ・ジャパンHPより抜粋)

モダン・ムーブメント(近代建築運動)とは
20世紀における建築の主要な潮流で、産業革命以降の社会に対応する建築を目指す動き。この運動は、各国の都市構造が急速に変貌していく都市化の流れを受けて、国際的な広がりをみせていきました。

DOCOMOMO Japan

ドコモモの日本支部(DOCOMOMO Japan)は、1998 年に DOCOMOMO 本部から要請を受ける形で、設立されました。
DOCOMOMO Japanが現存する近代建築として2022年現在、264件の建築を「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定しています。
選定された建築の中には、2016年7月に世界遺産に登録された「国立西洋美術館(ル・コルビュジェ / 1959 年)」や「東京タワー」などがあります。

田野畑中学校寄宿舎

田野畑村は、リアス式海岸の漁村から、高台の農業、牧畜業の村落まで、地域により多様な集落です。漁村と山村の子供達が一同に介して学ぶことを目的につくられたのが田野畑村中学校とその寄宿舎です。 直線とコンクリート打放しで構成された美しいモダン・ムーブメントの一つで、穂積信夫氏の代表作です。1976年度には、日本建築学会賞(作品)を受賞しています。

■宿舎室側(南側)外観

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寮室のユニットを左右に45度に開いていきながら上下にもずれ重ね、底部に共用空間が設けられ、その段上に並べたデザインは計画的、意匠的に革新的で、建築技術が進歩した現代においてもなお、優れた意匠性でその存在感を示しています。

■食堂(ドコモモ・ジャパンHPより)

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現在、田野畑中学校ではスクールバス通学に変わり、寄宿舎としての機能が不要となり、2010年前後から教育委員会の倉庫として使われています。地域住民にとっては、想い出の共同生活の場であり、2011年の震災時には寄宿舎にあった寝具が活用されたそうです。

■北側外観

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■建物概要
現在名称:旧田野畑中学校寄宿舎
所在地:岩手県下閉伊郡田野畑村
竣 工:1974年5月
設 計:早稲田大学穂積研究室(穂積信夫 他)
施 工:鉄建建設株式会社
用 途:寄宿舎
構 造:鉄筋コンクリート造
階 数:地上4階
敷地面積:8,841㎡
建築面積:2,711㎡
延床面積:2,933㎡

■DOCOMOMO Japan HP
  264 田野畑中学校寄宿舎

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