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2022.07.05

サステナビリティ 技術 小型木質バイオマスガス化発電の実証実験開始

当社は6月16日、 DOWAサーモテック株式会社と共同で開発した 、国産・小型200k Wの木質バイオマスガス化発電装置の実証実験を千葉県東金市で開始しました。

hanntanka01.png▲実証実験棟(千葉県東金市)

木質バイオマスガス化発電方式

木質バイオマスガス化発電方式は、バイオマス燃料材を化学反応(熱分解や酸化還元)により可燃ガス化し、ガスタービン等を回して発電するため、小規模な発電所でも効率的に発電することが可能で、市町村単位などでの電力供給や非常用電源として活用が図られています。
しかし従来のガス化発電方式は、安定的にガスを発生させるためには使用できる燃料材の条件が限定され、森林間伐材の枝葉や根などの利用は進んでいませんでした。

間伐材や果樹剪定枝等、幅広い原料の活用をめざして

当社とDOWAサーモテック社は、このような間伐材や果樹剪定枝等、幅広い原料の活用をめざして半炭化技術に着目し、2018年度から東京工業大学との共同研究により、様々な木質系・草木系バイオマス素材を半炭化しガス化する試験を行ってきました。
その結果、半炭化により安定的なガスを得られることが確認できたため、実用化に向け、昨年度から半炭化装置および定格出力200kW規模のガス化発電装置の製作を進めてきました。

■システム概要

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本システムは、木材を直接燃焼させるのではなく、過熱蒸気発生装置で発生させた過熱蒸気(300-350℃)を使用して半炭化したうえで、ガス化して発電機を稼働させます。
半炭化のプロセスを経ることで、一般的に木質バイオマス発電燃料として使用される木質チップの他にも、樹木・果樹の剪定枝や、河川・ダム流木を発電燃料として活用することができます。

hanntanka03.png            ▲半炭化材製造装置                 ▲ガス化ユニット

半炭化

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      木質チップ            半炭化(I炭)           半炭化(Ⅲ炭)

従来の木質チップを半炭化することでエネルギー密度が高く、効率良い燃料供給が出来ます。半炭化製品の特長は、低含水率、高発熱量、高粉砕性、低タール、疎水性となります。

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現場見学会

6月16日、実証実験開始に合わせて建設2紙を招き、現場見学会が行われました。

hanntanka06.png hanntanka07.png▲現場見学会の様子

2022年度上半期内に半炭化材製造装置およびガス化発電装置の実証実験機を使用して連続運転試験等を実施、下半期には発電事業への展開準備、更なる効率化を目指して機器の改良を実施する予定です。

小型木質バイオマスガス化発電を幅広く展開することにより、鉄建建設は持続可能な社会の実現に貢献していきます。

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