TECHNOLOGY INTRODUCTION

コンクリート打設管理システムー特許出願中ー

リアルタイムでの作業進捗の把握と品質向上への取組み

概要

コンクリート打設作業の確認や指示は、職員が目視及び各種計画書をもとに行っています。しかし、経験の差や施工規模などによって対応のミスや遅れが生じ、作業の効率や品質の低下が発生する原因となっていました。それらの課題に対して、AIを活用して各作業員の行動を分析し、数値や図によって状況をリアルタイムに把握することで、施工管理や作業指示などをサポートするシステムです。

本システムは、コンクリートの打設状況を高精細カメラによる画像解析や充填センサ、加速度センサなどでセンシングを行い、AI分析による情報を値や図によって可視化します。
これらの情報から作業状況が把握でき、指示出しの遅れや漏れ、作業者の対応ミスを防ぎ、安全性や施工効率、品質の向上に繋がります。(図―1)

解析メニュー

① 打設済み区画の表示
画像解析から打設完了エリアや打設ホースの位置を判別し、完了エリアを着色します。(図―2)

② 打設順序の表示
打設順序を打設完了エリア(マス)に数字で記載します。(図―3)

③ 締固め時間の表示
バイブレータ担当者が装着している加速度センサから締固めの動きを判断し、時間を色で表示します。(図―4)
⇒ 締固め不足のエリアを確認し、後追いでの締固めを指示します。

④ コールドジョイント警告
打設完了エリアにてコールドジョイントが発生する恐れのある個所について青い線で表示します。(図―5)
⇒ 打設順序の変更を指示します。

⑤ バイブレータ担当者の軌跡記録
画像とバイブレータ担当者が装着しているに加速度センサから滞在時間を表示します。(図―6)
⇒ 滞在時間が少ない(色が薄い)エリアに対しては、後追いでの締固めを指示します。

⑥ 打設完了見込み時間の計算
打設計画による完了予定時刻を入力し、打設済み区画等から計算される実績との比較がグラフで表示されます。(図―7)
⇒ 生コン車の手配調整や作業員の休憩等の判断が出来ます。

⑦ 打設ペースの異常警告
打設完了予定時刻に対して、ペースの遅れを警告します。(図―8)
⇒ 生コン車の手配調整や作業中止の判断が出来ます。

特長と今後

  • コンクリート打設ホースやバイブレータなどの打設グループの動きによって打設位置を判定します。
  • 画像解析による平面的な打設判定(床版部など)に加えて、センサ等を使用した立ち上り部(フーチングや橋脚など)での活用に向けてシステム開発中です。(図―9)
  • 施工履歴がデータベースに残り、トレーサビリティの確保が可能になります。
  • 類似工事前のシミュレーションや職員教育のツールとしても活用出来ます。
  • クラウド環境で分析を行い、遠隔地からパソコンやスマートフォンなどで状況確認や指示が出来ます。(写真―1)
  • G利用により、複数のカメラやセンサからの大容量情報について、高速転送が可能になります。(図―10)