TECHNOLOGY INTRODUCTION

地盤切削JES(ジェス)工法

軌道変状(地表面変状)を抑えた線路下横断工法 【平成27年度 土木学会 技術賞(Ⅰグループ)受賞】

概要

「地盤切削JES(ジェス)工法」は、これまでアンダーパス工事で採用してきたHEP&JES(ヘップ&ジェス)工法をベースとして、更なる安全性向上ならびに工期短縮を目的に、支障物の有無を問わず、地盤変状が生じにくいエレメント掘進を目指したものです。
今回開発した工法では、刃口前方に取り付けたワイヤにより、地盤を切削しながらエレメントを掘進します。また、刃口ならびにエレメント上部に設置した摩擦低減(フリクションカット)構造により、エレメント上部の土塊がエレメント掘進に伴って移動することを抑制し、地盤変状を防止します。これより、軌道の変状をほとんど発生させることがないため、列車運行時間帯も上床エレメントの施工を可能とし、工期短縮が図れます。
なお、本工法は東日本旅客鉄道株式会社との共同開発です。

特長

  • 【地盤への影響】地盤を切削しながらエレメントを掘進するため、地山ならびに支障物の押込み等に起因する地盤の隆起・沈下がほとんど生じません。 また、刃口ルーフを伸ばしたことにより、エレメント掘進時の地盤陥没を防止します。
  • 【工期短縮・コストダウン】エレメント幅を従来より拡幅することで、エレメント掘進本数と継手箇所を減らし、工期短縮・コストダウンを図っています。
  • 【安全性・施工性】土中あるいはガイドパイプ中にワイヤが設置される構造であり、刃口での作業安全性が確保されます。万一、エレメント掘進中にワイヤが破断しても、刃口内部からワイヤ交換が可能な構造としました。