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2009/12/04

カテゴリ: てっけんプロジェクト

~中央支間長156m(当時日本一)長良川高架橋を訪ねて~

長良川高架橋は、全国に展開する14,000kmの高速道路ネットワークとして建設される中部縦貫自動車道の一部であり、長良川を横断する橋梁です。PC橋としては日本有数の長さを誇り、最大支間長156mは同一形式の橋梁としては完成当時、日本一だったそうです。今回は当時工事に携わっていた名古屋支店の御宿淳一さんと、一緒に現地を訪れてみました。

 

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   中部縦貫自動車道は、長野県松本市を起点とし、飛騨・美濃・越前地方の険しい山岳地帯を通り、福井県に至る延長160kmの道路です。中部・関東地方と北陸地方の発展に資するため、中央自動車道長野線・東海北陸自動車道を相互に連絡して広域交道の円滑化を図ると共に、文化・観光資源を生かした地域振興他、産業・経済の発展を図ることを目的として計画されています。当社は油坂峠の一部である、東海北陸自動車道白鳥ICより約2kmに位置する長良川高架橋を施工しました。(1999年竣工)

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―工事について教えてください。

 

 長良川高架橋は、橋長526mの4径間連続PCラーメン橋で、橋面の高さは地上より約50mで、施工の方法は、カンチレバー工法で施工しています。カンチレバー工法とはワーゲンと呼ばれる移動式作業車で、橋脚を中心として左右対称に張出していく工法で、ヤジロベエの様だとよく言われます。当工事の特徴として、PC橋としては日本有数の長さを誇り、最大支間長156mは同一形式の橋梁としては完成当時、日本一だったと記憶しています。

 

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―工事をする上で、気を付けていた点はありますか?

 

『橋梁工事は計画の積み重ねで、基本や基礎の部分が一番大切だ。』当時の上司に最初に言われました。私もそのとおりだと思います。トンネル等と違い、自然環境等による未確定部分が少なく、計画がそのまま実行できる又実行しなければならないという意味で、非常に計画が重要であると思います。きっちりとした計画を立てて、それを実行する。問題点があれば次の計画にフィードバックする。という事が重要でないでしょうか。

 

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―工事中、工夫した点は何ですか?

 

どんな工事でもそうだと思いますが、コンクリート打設には特に気を使いました。一般に箱桁橋では、ウェブやウェブ直下の下床にコンクリート未充填の不具合が発生しやすく、特に本橋はすべて内ケーブルでウェブ内にシースが密集して入っている上に、斜ウェブである為、不具合が発生する可能性は非常に高くなっていました。そこで、ウェブの内枠にコンクリート打設用開口を作成し、コンクリートの充填・締固め具合を間近で施工・確認できるよう工夫しました。おかげで、コンクリートの品質トラブルなく工事を完成させる事が出来ました。

 

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―何か、挑戦したというエピソードはありますか?

 

開通時期が決まっており、工期短縮というのが大きな課題でした。工期短縮のために実施した数々の事項の中で大きな物2つです。一つは大型ワーゲンを採用して、1回の施工距離を長くしました。そのためには、詳細設計を一から行う必要がありますが、本社と協力して実施しました。二つ目は、通常は橋体完成後に現場打ちで作成する地覆高欄を、工場製作品であるプレキャスト壁高欄として採用しました。プレキャスト壁高欄を地上高約50m高さで高速道路に採用するという事も有り、安全や品質面の様々な問題点を解消する必要がありました。そこで、実物大の試験体を作成し、車両衝突時の安全性や、施工時の確実性、将来のメインテナンス性等について確認を行いました。無事採用され、大幅な工期短縮に貢献することができました

 

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―工事を通して、自分が成長したと思える事はありますか?

 

この工事ではじめて橋梁工事に携わりました。周りの人に負けまいと自分自身努力して、色々な事が吸収できたと思います。施工条件に合った施工方法を考え、施工図作成と強度確認を行い、数量の確認を行うことは当たり前といえば当たり前ですが、一から自分で行うことで重要な部分がよく理解でき、本当の意味で力が身についたと感じました。計画を自分で行う若しくは確認することで、仕事の幅や考え方の幅が広がったのではないかと思います。

 

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―番印象に残っている事は何ですか?

 

私は、その現場に配属された当時、入社6年目でしたが、一山を越えるような基準測量をやった経験もあり、測量には自信を持っていました。着任後、橋の測量は難しいと聞いて、せいぜい数百メートルでお互いが見通せる状態にあるのに、測量がなぜ難しいのか理解できませんでした。しかし、実際に工事がはじまると、その難しさは理解できました。橋面の高さは、荷重条件等で変化します。特に架設中の橋は、橋自体と移動式作業車の重量等、施工状態の変化によりその都度高さを変化させます。そのため、作ったときの高さと完成したときの高さは数センチ単位で違う値を示します。その差は『上げ越し』と呼ばれ、きっちりと計算し、完成した際に高さが合うように計画・施工します。それ以外に、橋が長くなると温度による変化も大きくなり、朝と昼の橋面の高さが全然違うという一見不思議な現象が発生します。それらの繊細さに驚きました。その意味でも橋がぴったりとつながった時には非常に嬉しかった思い出があります。

 

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―竣工した当時の感想はどうでしたか?

 

地下鉄や山岳トンネル等、色々な工事に携わりましたが、橋梁工事ほど完成物が絵になる工事はないと思います。作っている最中もそうでしたが、出来上がったものを遠くから眺め、特に自分が携わったところを眺めると、非常に大きな達成感がありました。苦労した事までが、いい思い出になった気がしました。

 

 

―地元の方との思い出などはありますか?

 

地元とのふれあいの為の行事を何度か行いましたが、その中で子供の日に行った鯉のぼりを上げるイベントをよく覚えています。地元の方々から使わなくなった鯉のぼりを貸して頂き、橋脚と橋脚の間にワイヤーを張って揚げました。橋脚間156mの間で地上高40mに100匹あまりの鯉のぼりが泳ぐ様は壮観でした。地元の方々特に子供たちと協力して行ったこのイベントはかなり盛況でした。

 

 

―思い出の場所はありますか?

 

竣工した年、地元の小学6年生に将来の夢などを書いてもらいタイムカプセルにして、橋の下に埋めた場所があります。その子達が二十歳になったら開けてもらう約束をして、タイムカプセル内にワインとメッセージをつめておきました。メッセージに何を書いたのかは忘れてしまいましたが。その場所の目印に桜の木を植えたので、桜の成長も楽しみにしていました。そういえば、竣工から10年あまり経っているので、その子達は二十歳を越えているはずです。

 

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―道路が開通した今、実際に車が通っている現場を見てどうですか?

 

実際のところは、問題なく供用されているという事に、ほっとしています。何か不具合は発生していないか、いや大丈夫・・と不安な気持ちで今日はここを訪ねました。一生懸命作った物ですから、その思いは想像以上に大きいものです。

 

 

―高架橋を周りの風景と一緒に見ると、とてもスケールの大きさを感じるのですが、どう思いますか?

 

私自身、現在も橋梁工事に携わっています。現在の工事は第二東名高速道路関係の工事で、結構大きな工事ではありますが、久しぶりに見た長良川高架橋を目の当たりに、そのスケールの大きさに改めてびっくりしました。まさに地域の風景の一部であり、地図に残る仕事だと思います。こんな大きな工事に携わる事が出来たという事に、改めて喜びを感じます。自分の携わった仕事を後に見学に行くという事はなかなかありませんが、今回の良い機会に恵まれて、年月を経過して見に行くのもいいなと感じています。次は子供達と一緒に見にこれたらば良いなと考えていま

 

 

―あとがき―

今回の取材にあたって、御宿さんの「ものづくりに対するあつい思い」のようなものを感じました。スケールの大きい土木工事は、苦労を吹き飛ばす達成感を与えてくれ、その感動を長く持続させてくれる、すばらしい仕事ですね。お忙しい中取材協力ありがとうございました。

    

 

平成9年度中部縦貫長良川高架橋上部工事 

○路線名  中部縦貫自動車道

○施工場所 岐阜県郡上郡白鳥町為真~越佐

○発注者  建設省(現:国土交通省)中部地方建設局

○工事概要 長良川高架橋上部工一式

      PC4径間連続ラーメン箱桁橋

      橋長:526.0m

      架設工法:カンチレバー工法

○工期   1997.11.18~1999.12.10

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